開催にあたって

ー変わらぬものー

生まれ、死ぬ
人も虫も草花も
種を残すのは知る知らぬの届かぬ深いところにある本能か

手を伸ばすと草影に逃げる虫
食うために米を育てる自分
どちらも生きるためにおこなう

いつから続くのか、
一個の生命は短いが連なった生は一本の屋久杉よりも続いている
生と死の狭間で、生物はやるべきことを知っている
いつか終わりがくることも知っているのだろう
死がくることを知っているというより、生が終わることを知っている
生と死が一体だと本能で理解している

核燃料サイクルの胡散臭さは、
死は与えることなく生をヒトの手で産み出し続けようとする視野狭窄さにある
生まれ、死ぬ。そこから遠く離れた頭の片隅で物事をみる傲慢さ
ヒトの叡智とは、始まりと終わりの中にあるのではないか

数千年来に生きる言葉を生み出した釈迦の「教え」を学び実践される
大村治氏と、
移り変わり激しい社会の表層に目をとられがちな中でfind the rootをテーマに「風の旅人」を発刊される佐伯剛氏の対談から、
自身の足元を見つめ直し、これからにつなげたい

「変わらぬもの」とは、「豊かさとはなにか」「大切なもの」を内包すると思います
自分よりも濃く深くそれらを探求し表現体現されているお二人の対話から学びたいと思いこの場を持たせていただきました

対話によりお二人の間でどのような論が形作られていくか、
話す人、聞く人のいるその場がどう形成されていくか、
一条校を筆頭とする現代日本で言うところの「学び」とは違い、
答えは用意されておらず、そもそも解とは与えられるものではないと考えます
現時点での自身が感じ取れたものを共有することで、学びの創発が起きれば幸いです


生まれ、死ぬ
そこから目をそらさず生を問う


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